年末調整の基本と必要書類を押さえる
■年末調整と確定申告の関係を理解しよう
今回は、年末調整の概要と、経理・総務担当者が取り扱う主な書類についてお伝えします。
年末調整とは、毎月の給与から源泉徴収している所得税について、年間の税額を計算し直し、過不足を調整する手続きのことです。
経理・総務担当者の立場から見ると、社員の所得税を最終的に精算する大切な業務と言えるでしょう。
年末調整では、いくつもの申告書や関連書類を扱うことになります。
担当者は、業務が完了するまで多くの書類を整理しながら手続きを進めていきます。
年末調整の内容は、確定申告とほぼ同じ仕組みです。
違いは、年末調整では対応できない控除があるという点です。
その場合は、本人が確定申告を行うことになります。
年末調整では対応できない主な控除には、次のようなものがあります。
・医療費控除
・寄付金控除
・雑損控除
・住宅ローン控除(初年度のみ)
これらについては、社員本人が確定申告で手続きを行います。

■年末調整に関する書類と保管期間
年末調整に関する書類は、一定期間の保管が義務づけられています。
主なものは次の通りです。
・賃金台帳
原則5年間の保管が必要ですが、源泉徴収簿を兼ねている場合は7年間保存します。
・源泉徴収簿綴(つづり)
① 源泉徴収簿
翌年1月10日の翌日から7年間保管
② 給与所得者の基礎控除申告書
兼 給与所得者の配偶者控除等申告書
兼 年末調整に係る定額減税のための申告書
兼 所得金額調整控除申告書
→ 7年間保管
③ 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
翌年1月10日の翌日から7年間保管
④ 給与所得者の保険料控除申告書
翌年1月10日の翌日から7年間保管
とくに②の書類は名前がとても長く、制度改正のたびに名称が少し変わることがあります。
そのため、「年末調整の申告書のひとつ」と覚えておくとよいでしょう。
■会社が税務署・市町村へ提出する書類
年末調整の時期になると、会社は税務署や市町村へ提出する書類もあります。
主なものは、次の2つです。
① 法定調書合計表
法定調書とは、所得税法などの規定により税務署へ提出が義務づけられている書類のことです。
種類はかなりありますが、多くの会社が関係するものは次の6つです(該当がなければ提出不要)。
・給与所得の源泉徴収票(給与支払報告書)
・退職所得の源泉徴収票・特別徴収票
・報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
・不動産の使用料等の支払調書
・不動産等の譲受けの対価の支払調書
・不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
これらをまとめたものが「法定調書合計表」です。
法定調書と併せて、毎年1月末日までに税務署へ提出します。
② 総括表
総括表は、給与支払報告書を市町村へ提出するときの、表紙のような役割を持つ書類です。
会社は、社員の住所地の市町村へ「給与支払報告書(所得税の源泉徴収票に相当するもの)」を提出します。
これをもとに、社員の住民税が計算されるのです。
そのため、総括表は社員が住んでいる市町村ごとに分けて作成する必要があります。
【メッセージ】
「法定調書合計表」や「総括表」の具体的な書き方まで説明し始めると、かなり専門的な内容になります。
顧問税理士がいる会社であれば、必要な情報を伝えることで、作成や提出を代行してもらうことも可能です。
無理にすべてを覚えようとせず、専門家と連携しながら進めていきましょう。

